上九沢の笹野家の長屋門、下溝の福田家の長屋門、上溝の清水家の旧主屋・長屋門、清新の大谷家の新田開拓農家、元橋本町の牛久保家の長屋門が市登録有形文化財として保護されている。
桁行6.5間(39尺)、梁行2間(12尺)で、中規模の長屋門である。軒は上部梁行梁の端部を持ち出してセガイの形式とし、手法としては新しいものだそうだ。 屋根の現状はトタン葺きであるが、当初は茅葺と思われるという。
桁行7.5間、梁行2間で、上部に2階を設けるため、軒高は15尺とかなり高くなっている。 軒は上部梁行梁の両端部を張り出し、これに小板を張るセガイという形式で、19世紀から多く出てくる形式とのことである。
屋根は修復しているが、当初は茅葺であったと思われる。
旧主屋・長屋門ともに19世紀中頃の建築と推定されている。主屋は上層農家の六間取と呼ばれる大型のものという。前面に二階を設け、屋根は土間側を兜造りとしている。
これらは当地の養蚕の歴史をみる上で貴重なものだそうだ。 長屋門は桁行65尺の長大なもので、堂々たる母屋にふさわしい。
江戸時代末期の大規模な新田開発の開拓農家のものである。 現在は、屋根はトタンに変えられ、柱の一部や囲炉裏は除かれて、物置として使用されているが、以前は入母屋造茅葺で、棟には菖蒲を植えていたという。 桁行3間、梁行2.5間で、床上は間仕切りのない一室住居である。
この長屋門は近世末の建築と推定されます。桁行9.5間(約17.1メートル)、梁行2.5間(約4.5メートル)の堂々たる構えで、現存する相模原市の長屋門としては規模の大きな物です。 両脇にある2本の太い柱の上に大きな天井を貼っています。軒のセガイは、柱に腕木をほぞ差(ほぞさし)とする古い形式となっています。部材も全体に太く、冠木(かぶき)の丈は1.4尺(42cm)、その上に乗る梁は約1尺(30cm)です。