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神奈川県には相模川をは挟んで10余の古墳、および古墳群が知られている。
相模原地区では、勝坂遺跡に代表されるように、石器時代から縄文時代にかけての重要な古代遺跡が発見されているが、古墳はわずかに当麻東原古墳、谷原古墳群、宗祐寺古墳群が発見されているに過ぎない。
一方、海老名、綾瀬、座間地区では、石器、縄文、弥生時代の石器、住居地跡遺跡なども多いが、特に海老名市にある秋葉山古墳群は、3世紀後半の弥生時代終末期から、古墳時代初頭にかけて築造されたとみられる東日本最古級の前方後円墳が注目される。さらに上浜田古墳群、伊勢山古墳群など、古墳の変遷を調べる上でも貴重な古墳が多い。
秋葉山古墳群
大和政権を中核として、全国的な連合を形成していた頃の特徴とされる前方後円墳が、海老名市で前方後円墳3基を含む6基が、ずらりと並んだ良好な状態で保存されている。多くの古墳が消滅していく中で、研究者たちが注目している貴重な古墳群である。
海老名市で調査の結果、卑弥呼の墓といわれる奈良県箸墓(はしはか)古墳に匹敵する全国的にも非常に古い、当時の姿をとどめた貴重な古墳群であることがわかったという。
古墳時代前期に築造された2号墳では、くびれ部で祭祀に火を使用されていたことが濃厚であり、弥生時代末期に築造された可能性の高い3号墳では、頂部で土器祭祀を行い、墳丘を壷形土器で囲繞した可能性があるとされる。
秋葉山古墳群は3世紀後半頃から4世紀後半頃まで、連続的に造営された一系列の首長墓と考えられている。海老名市ではこれらの古墳群を永く保存するため、古墳公園として整備する計画である。
所在地:海老名市上今泉4丁目(秋葉山古墳)
交 通:小田急線海老名駅から相武台下駅行きバス中心学園下車徒歩10分
問合先:文化財については海老名市生涯学習部文化財課 046-231-2111